Luncheon Meeting on International Affairs between Members of OSIPP and U.S. Congressional Staff

国際情勢をテーマとした米国連邦議会スタッフとOSIPP教員によるランチミーティングを開催

(2025年5月30日)

2025年6月16日

2025年5月30日、大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)ではこのたび、米国連邦議会スタッフとの意見交換を目的としたランチミーティングを開催いたしました。
冒頭では、大槻恒弘研究科長兼ESG-IREC共同代表より歓迎の挨拶があり、和やかな雰囲気の中で会は始まりました。その後、OSIPP教員が自己紹介を行い、続いてゲストの皆さまにも自己紹介をしていただきました。

今回のミーティングには、OSIPPからは大槻研究科長、和仁健太郎教授、, Virgil Hawkins教授、片桐梓准教授、星野俊也ESG-IREC共同代表、有江ディアナ特任助教らが出席し、米国側からは議会スタッフのJacob Glasser氏、Jackie Olvera氏、Isabel J. Sanchez氏、Laura Wiegand氏、 Juliana Fleming氏、Jamari Hartley氏が参加しました。また、米国法人日本国際交流センター(JCIE)のエグゼクティブ・ディレクターである加藤和世氏、アシスタントのKevin Bayes氏も同席され、両者の意見交換が円滑に進むようご尽力くださいました。本ミーティングの実現は、OSIPPの佐藤治子特任教授がJCIE側との日程調整を進めたことで実現しました。また、当日の運営は、OSIPPの院生であるWill Marshall氏, Georgeline Jaca氏, Darren Mangado氏が担当しました。

ミーティングの中盤では、加藤氏から、ESGインテグレーションの意義や、ESG-IRECの設立経緯に関する質問があり、これを契機に議論が一層深まりました。とりわけ、センター共同代表の一人であり、元国連大使である星野共同代表に対して、「国連でのご経験とESG推進の関わり」についての問いかけがなされました。星野共同代表の回答の中で、2006年にコフィ・アナン元国連事務総長によって提唱された「責任投資原則(PRI)」を出発点としたESG投資の重要性が語られました。加えて、大阪という地域における取り組みの意義として、大阪・関西圏の中小企業におけるESG導入が、地域の再活性化や新たな市場創出につながる可能性があることが強調されました。具体的には、御堂筋エリアの2030年までの脱炭素化を目指す大阪市と民間企業による官民共同プロジェクトや、ESG要素を組み込んだ中小企業支援の重要性が紹介されました。また、学生や研究者がESGの実践とその意義を学ぶため、日本経済新聞社と共同で開発・企画・運営している授業など教育面での取り組みについても報告されました。さらに議論は、ESGの延長線上で、日本と米国におけるカーボンクレジット市場の動向や国際的な取引の可能性にも及び、制度設計や地域レベルでの導入支援の方向性について意見が交わされました。
国際情勢に関する話題では、米国でのTikTok禁止を巡る議論と若年層の反応が紹介され、対中認識やメディアリテラシー、政治的関心に与える影響について意見が交わされました。米国の議会スタッフからは、若者たちがTikTok禁止に抗議して所属する議員事務所に直接連絡してくる様子が共有され、「丁寧に背景を説明すると、必ずしも賛同を得られるわけではないが、一定の理解を示す反応があった」との経験が語られました。

また、国際政治と報道の関係についても深い議論がありました。Hawkins教授は「メディアが何を報じ、何を報じないか」に注目し、その影響を分析していることを紹介しました。例えば、ガザでの出来事は報道される一方で、実際に最も深刻な人道危機が起きているスーダンについては報道が少ないことに触れ、その背景には地政学的要因や国益、視聴者との距離感などがあると指摘しました。こうした報道の選択が世論や政策に影響を与える相互作用があることも示されました。さらに、このような報道の傾向は米国においても市民の関心や議員への働きかけに直接影響しており、米国の議会スタッフは「ガザ情勢に関する電話は1日に何十件も寄せられる一方で、スーダンに関する問い合わせはほとんどない」と語りました。

学生交流の話題も取り上げられ、日本の学生が米国に留学する上での課題や、現政権の方針に伴う渡航制限などへの懸念について意見が交わされました。学生の留学先は希望によって多様であるものの、「やはり米国での学びを望む学生が多く、その機会を確保することは今後も重要である」との認識が共有されました。特に、片桐准教授の米国での留学経験を踏まえた話から、留学先としての米国の魅力や現状の課題について具体的な視点が提供され、議論が深まりました。

本ミーティングは、ESGや国際情勢、メディアの影響、若者の価値観と留学先の選択など、多岐にわたるテーマについて率直な意見が交わされる貴重な機会となりました。

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