Special Lecture: “The Theory and Practice of ESG Integration”— Public-Private Collaboration for “Decarbonization Leading Area” Initiative in Osaka Midosuji-area
特別講義「ESGインテグレーションの理論と実践」— 御堂筋エリアにおける官民連携の脱炭素先行地域化の取組み
(2025年7月4日)
2025年7月15日
2025年7月4日、特別講義「ESGインテグレーションの理論と実践」において、大阪市環境局環境施策部エネルギー政策担当課長の大谷直人氏と一般社団法人御堂筋まちづくりネットワークカーボンニュートラル部会の新留博子氏(大阪ガス株式会社)を講師として迎えました。
講義の冒頭、本授業の主担当教員の星野俊也ESG-IREC共同代表は、環境省の「脱炭素先行地域」構想に触れ、行政と企業が連携し、御堂筋エリアで進めている新しいエネルギー活用や街づくりの実践とこれに深くかかわっている両講師を紹介しました。また、ESGを軸にした企業の革新と地域の脱炭素化を例に挙げながら、学生に自由な議論を呼びかけました。

講義ではまず、大谷氏が自身の経歴を交えながら大阪市の脱炭素政策について説明しました。
大阪市は環境先進都市を目指し、2013年に2076万トンあった二酸化炭素排出量を、最新の2021年には1613万トンにまで削減しました。家庭での省エネや学校でのエネルギー効率化、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用が、減少に貢献しています。大阪市は2030年までに国の目標である45%削減を上回る50%削減を目指しています。具体的な取り組みとして、大阪市は御堂筋を脱炭素先行地域のモデルエリアに設定しました。御堂筋は幅44メートルの歴史ある通りで、昭和12年に開通され、イルミネーションや彫刻などでも市民に親しまれています。ここではオフィスビルや公共施設での省エネ、再エネ電力の利用、電気自動車の充電インフラ整備などが進められています。
大阪市は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、既に20施設が再エネ電力に切り替えており、地域課題の解決とエリア価値の向上を両立させる取り組みを進めています。大谷氏は、こうした取り組みを進める上で、地域と企業の連携が重要であることを強調しました。
続いて新留氏は、大阪ガスの取り組みと、御堂筋まちづくりネットワークでの活動の双方を紹介しました。
新留氏は大阪ガス入社後、営業や企画を通じて地域課題の解決に取り組まれてきました。現在は、エネルギー事業の多角化やカーボンニュートラルの推進を通じ、2050年の脱炭素社会の実現を目指されています。具体的には、再生可能エネルギーやカーボンニュートラル技術の導入に加え、排出削減に資するネガティブエミッション技術を活用した事業を展開しています。
また、大阪・関西万博会場では、生ごみ由来のバイオガスと会場内で回収した二酸化炭素、さらに再生可能エネルギー由来のグリーン水素を組み合わせて、e-メタンを製造。そのe-メタンを迎賓館厨房やガスコージェネレーション設備などの都市ガス消費機器で利用しており、未来社会のモデルケースとして注目を集めています。
さらに、新留氏は「御堂筋まちづくりネットワーク」としても活動されています。エリア価値向上を目的に、企業連携やイベント開催、景観デザインの統一、災害時の安全確保計画の策定など、多岐にわたる取り組みを推進されています。これらの活動を通じて、企業投資の促進と地域社会の安全・快適性の両立を図り、持続可能で魅力的な都市空間の創出を目指しておられます。
質疑応答の時間では、学生からブルーカーボンの取り組みについて質問があり、大谷氏は大阪湾奥部や関空周辺などでの事例を紹介しました。また、ノウハウ不足や資金・人材の課題に対しては、自治体間の情報共有や国への提言を通じて解決を図っていると述べました。
今回の授業では、ESGの「E」に関連する大きな社会課題の解決に向け、官民連携で取り組まれている地域の具体的な事例が紹介され、履修生にとって非常に有益な学びの機会となりました。









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