星野俊也ESG-IREC共同代表が香川大学リカレント専門講座「海と共に歩む未来へ」に出講
(2025年5月8日)
2025年5月15日
2025年5月8日、星野俊也ESG-IREC共同代表は香川大学のリカレント専門講座「海と共に歩む未来へ」にオンラインで登壇し、「環境課題に関する世界の動き~今日本・地域社会がなすべきこと~」と題した講義を行いました。本講座は、香川大学が日本政策投資銀行(DBJ)と連携して推進している「ブルーカーボン事業」を題材に、地域や組織のカーボン・ニュートラル、ネイチャー・ポジティブにかかる今後の可能性や課題を認識し、事業化に結び付けられる地域人材を育成するという意欲的な目的によるものです。
星野共同代表は、日本や地域社会がなすべきこととして、企業の経営や投資において環境・社会・ガバナンス(ESG)を積極的に取り入れながら企業の競争力増進や利益追求と社会課題の解決の両立や好循環を実現することは可能と指摘する一方、「持続可能性」は必要条件であっても十分条件ではない、と述べ、十分条件として、社会や環境に積極的なプラスの影響を与える「ネット・ポジティブ・インパクト」を追求する意義を強く訴えました。香川大学は瀬戸内海における藻場の造成による新たなCO₂吸収源を広げる「ブルーカーボン事業」を推進しており、星野共同代表は、こうした新たな領域まで踏み込む努力をネット・ポジティブにつながる「再生的(リジェネラティブ)」な取組として高く評価しました。
質疑応答の時間では、参加者から「世界の潮流の中で、学びやすくインパクトの大きい活動は何か」との問いが寄せられました。これに対し星野共同代表は、カーボン・クレジット分野が制度的にも形成途上であり、香川大学が政策投資銀行と今まさに進めようとしている「ブルーカーボン」のクレジット(排出権)取引など参入と学習の好機であると答え、カーボンプライシング(排出量に価格をつける仕組み)や、炭素排出量の測定・可視化の基準づくりが国際的に進められているなか、日本はベンチャーも含め先進的な企業が多く登場していることが紹介されました。
星野共同代表は、「サステイナブル」から「リジェネラティブ」へ、「誰も取り残さない」から「誰もが参加する」未来へと、人々が地域や足元から、自らが変革の主体となって行動することを呼びかけました。
なお、本件講義は香川大学から当センターへの学術相談の一環として実施されました。


【関連資料】2025年度 香川大学リカレント専門講座
